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平成28年度日本医療大学 入学式 学長式辞

 春の好き日に、平成二十八年度日本医療大学の入学式を挙行するにあたり、大学の教職員を代表して式辞を申しあげます。 また、本日の入学式に、ご臨席を賜りました学校法人 日本医療大学 対馬徳昭 理事長、学校法人日本医療大学後援会 赤石義道 副会長をはじめ 多くのご来賓の皆様に、厚く御礼申しあげます。 

 ただいま、日本医療大学へ入学を許可された学生は、看護学科八十九人、リハビリテーション学科 理学療法学専攻四十三人、作業療法学専攻二十六人、診療放射線学科五十二人であります。皆様の入学をお祝いし、大学を挙げて歓迎致します。 

 今日の慶びに至る過程を支え、励まし、導いてこられたご家族の皆様のお慶びもいかばかりかと存じます。心からお祝い申しあげます。 

 さて、皆様は、看護師あるいは理学療法士、作業療法士、診療放射線技師を目指して本学へ入学し、喜びと期待で、夢は大きく膨らんでいることと思います。これから、新入生の皆様に、どのような大学生活を送ってもらいたいかをお話ししますが、ご家族の皆様にも、日本医療大学のこれまでの経過と建学の精神、そして教育姿勢をご理解頂き、ご協力を賜りたいと思います。

 昭和五十九年、札幌の月寒に特別養護老人ホーム「幸栄の里」を開所していますが、この施設は、入所の方々だけでなく在宅の方々へのサービスを展開し、在宅介護サービス実現の先駆けとなりました。さらに、介護と福祉の高度な人材育成の必要性から、平成元年「幸栄の里」の隣に専門学校日本福祉学院を開校しました。これが日本医療大学の基になりました。以降、三つの専門学校に七学科を有し、これまで社会に数多くの有為な人材を輩出してきました。卒業生は、地域の病院、訪問看護ステーションおよび老人保健施設等に勤務し、高い評価と信頼を得るなど、地域医療に貢献して参りました。

 しかし、近年の医学・医療技術の進歩は目覚しく、医療職に求められる役割も多様化してきています。医療活動の場も病院から高齢者福祉施設、在宅医療などの地域活動へと広がっており、それぞれの場の特性を理解し、人間と生活を総合的に判断し、必要な医療を的確に実践する能力が医療職には求められています。このような能力の育成には、学士課程による教育が必要であるとの認識から、平成二十六年四月に日本医療大学を設置し、保健医療学部看護学科を、昨年度はリハビリテーション学科 理学療法学専攻・作業療法学専攻が開設されました。そして今年度は診療放射線学科第一期生を迎え入れることになりました。これで保健医療学部三学科が揃ったことになります。

 本学は、ヒューマニティに育まれる「人間力」を建学の精神として「人間尊重を基盤とした人間力を備えた医療人の育成」を教育研究上の理念とし、保健・医療・福祉の分野に携わる医療人を育成して参ります。今、我が国は四人に一人が六十五歳以上という超高齢社会を迎え、高齢者への対応が求められていますが、高齢者医療・福祉の現場と一体になっている本学では、日常的なフィールドワークを通して医療・福祉の精神を養い、高齢者医療の実践を積むことが出来ます。

 最初に看護学科について述べます。看護とは「病む心と体をもつ人に対して、その健康上の問題が解決する方向に患者を援助し、患者のもつ困難に対して 患者が気強く立ち向かえるように援助すること」であります。そのため本学における看護教育は、高い倫理性と豊かな人間性を育み、人を統合的に理解する能力、科学的な学問体系から得られた専門的知識・技術に裏付された実践力、チームの一員として役割を果たす責任と協働する能力を修得します。

 次にリハビリテーション学科について述べます。リハビリテーションとは、単に手足の機能回復などの部分的なものではなく、人間全体として「人間らしく生きる権利の回復」を意味するものです。これを遂行するために理学療法士・作業療法士は、科学的思考に基づいた専門的知識・技術を用いて 保健医療福祉チームとリハビリテーションサービスを提供するものです。

 今年度開設された診療放射線学科について述べます。放射線技師とは、医療技術を提供するだけではなく、全ての人に安全・安心を提供しなければなりません。東日本大震災以降は特に放射能の危険性について議論されていますが、日常診療ではその有用性と安全性を見極めながら提供する役割を有しています。

 本学が目指しているカリキュラムは、豊かな人間性を有する医療人を育み、専門職業教育に求められる科学的思考に基づいた学修能力や主体的学修能力を育成します。この道のりは決して易しいものではありません。時にはくじけそうになることもあると思います。そのような時には周りにいる友人に、あるいは先輩に助けを求めてください。勿論、その道の大先輩である教員もついています。どうか心強く、逞しく成長してください。

 本学での四年間における学びの中で、医療職としての専門的知識・技術を身につけて頂くのは勿論でありますが、専門的知識以外の教養をどれだけ身につけるかによって人間性が深まると言われています。そのためには、課外生活を通して友人や先輩と議論を重ねることも大切でしょう。また、課外活動やボランティア活動を通して、多くの人と出会い、様々な体験を重ねることで、幅広い知識や多様な価値観を知り、ものの見方・考え方を学び、主体的な判断と行動力を身につけることを期待しています。

 これまで、皆様は、教え手から学んだことは、疑うことなく真実として受け入れてきましたが、大学では、何故と疑問をもつ努力をし、自分で問題を見つけ、自分で答えを見出す勉強法を身につけてください。皆様は、本学で「学ぶこと」と「考えること」、そして「学ぶ方法」をしっかり身につけて頂きたいと思います。それが、医療で生きる皆様の第一歩であると信じています。

 最後に申しあげたいことは、皆様が将来、医療者として活躍するための基本は、医療の知識、技術は勿論ですが、病気や障害をもつ人々の心の痛みを感じる感性と豊かな人間性を含む、人としての総合的な力にほかなりません。体力、気力、 誠実さ、人への優しさ、思いやりなどの総合的な人間としての力量であります。その意味で、大学生活は非常に重要な人間鍛錬の場でもあります。皆様には、看護学、リハビリテーション学あるいは診療放射線学を懸命に学び、身体と心、そして人間を鍛えて頂きたいと思います。 

 本日、日本医療大学及び北海道の将来を担う皆様に期待を込めて、いろいろと要望致しましたが、新しい日本医療大学を皆様が創り出すという意気と気概をもって、学生生活をスタートしていただきたいと思います。心からこのように願い私の式辞と致します。

平成二十八年四月九日
日本医療大学 学長 傳 野 隆 一