日本医療大学学園コラム|デンマークの主食

日本医療大学|アンデルセン便り

01月01日

デンマークの主食

 明けましておめでとうございます。みなさん、新年はどのようにお迎えになりましたか。私は提出する論文を抱えた緊張から抜け出そうと、お屠蘇を飲み過ぎてしまいました!?
 さて、「アンデルセン便り」も今年で6年目に入りました。これまで福祉関連の話を中心にしてきて、そしてこれからも基本的にはそうなのですが、もっとデンマークという国について知ってもらえるような内容も盛り込んでいこうと考えています。「こんな国だからこそ、こうした福祉が存在するんだ」という重層的な理解につながることを期待しています。
 そんなこんなで、今回は主食についてです。主食とは、その国の食事で主体となる食べ物で、国によって、米、パン(小麦粉)、とうもろこし…、とさまざまに異なります。日本は米が主食と言われますが、パンや麺類も主食の一角を確実に占めています。流通や情報の発達によって、食材も多様化が進んでおり、多くの国で、主食は必ずしも1種類だけではないのです。
 それでは、デンマークはというと、昔ながらの主食は、黒パンとじゃがいもです。じゃがいもについては次回でお話します。まずは黒パンですが、黒パン、とは、ライ麦から作るパンの通称です。小麦粉から作る白いパンと比較して、色が黒いため、そう呼ばれます。ライ麦は、寒冷地でも栽培できるため、北欧や東欧ではライ麦パンは昔から主食となっています。
 黒パンを作るには、白パンのイースト菌ではなく、サワー種を使うため、酸味が利いています。一般的にもっちりとした食感で、ずっしりと中身が詰まった感じがします。
 デンマークでは、日本の食パンと比べて二回りほど小さい直方体に焼かれた黒パンを、1センチ足らずの厚さにスライスして食べるのが普通です。スライスされた一枚を焼かずに皿に置き、バターを塗った上に、豚肉、ハム、レバーペースト、卵、ニシンの酢漬け、うなぎの燻製、赤カブの漬物など、思い思いの具材をのせて、ナイフとフォークを使って食べます。男性の大人であれば、3〜4枚程度が一回の食事分になります。
 黒パン自体にも種類があり、きめが細いもの、粗いもの、ヒマワリの種入り、ジャガイモが練りこまれたものなどがあります。私はヒマワリの種入りが好きでしたが、ほとんどの日本人は、酸味が利いた黒パンの味には慣れていないため、あまり合わないようです。

デンマークの黒パン。昔は家庭で焼いていたが、今は焼いてスライスされたものを買うのが普通

黒パンにトッピングしてナイフとフォークを使って食べる

略歴
銭本 隆行 氏
学校法人日本医療大学特別講師、認知症研究所所員
1968年広島市生まれ、福岡市育ち。早稲田大学卒業後、時事通信社、産経新聞社に勤務の後、2006年にデンマークへ渡る。デンマークの国民高等学校「日欧文化交流学院」にて、福祉、教育、医療に関する研修を日本から受け入れてきた。2011年から2015年まで同校学院長を務め、現在は学校法人日本医療大学特別講師、同大学認知症研究所所員を務めている。

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