日本医療大学学園コラム|認知症の友に!!

日本医療大学|アンデルセン便り

11月01日

認知症の友に!!

 認知症サポーターキャラバン、をご存知でしょうか?認知症の人が安心して暮らせる社会を作るため、認知症の人と家族への応援者となる認知症サポーターを全国各地で養成していく運動です。世界でも類を見ない高齢化社会の中で、認知症の人が暮らす地域そのものに認知症に対する理解を深めてもらい、支援の輪をひろげていこうとするものです。
 運動は平成17年度からはじまり、認知症サポーターを養成する講師役のキャラバン・メイトも同時に養成していきました。地域の自治会や職場、学校などさまざまな場所で認知症サポーター講座が開催されてきた結果、全国キャラバン・メイト協議会のHPによれば、平成29年9月30日時点で、養成された認知症サポーターは939万6047人、キャラバン・メイトは14万3584人に上っています。
 日本のこの運動は世界でも評価されており、世界保健機構(WHO)や国際アルツハイマー協会(ADI)の報告書にも取り上げられています。
 イギリスでは日本を手本として、「Alzheimer’s Society」という認知症を支える全国団体が中心となって「Dementia Friends」という運動をはじめています。現在までに、認知症サポーターに相当する「Dementia Friends」に200万人以上が登録されています。
 イギリスの動きに影響を受け、デンマークでも、全国団体であるアルツハイマー協会が主導し、「Demensvenner(認知症の友)」という運動が2015年にはじまりました。認知症とともに生きることを理解し、可能な時と場所で支援の手を差し伸べることに賛同した「認知症の友」を1万人養成する目標を掲げています。
 現在デンマークでは8万人が認知症を患い、一緒に暮らす家族は40万人に上るとされています。認知症は5番目に多い死因で、3時間に1人が認知症で亡くなると推測され、今後は認知症の人はますます増えていくとみられます。
 こうした中、デンマークでも、公的制度で支援するだけではなく、国民自身が認知症についての知識を深め、日常の中で支援していくことが求められているのです。
 それにしても、「Demensvenner」の運動が日本の「認知症サポーターキャラバン」に端を発しているのはとても興味深いことです。

Demensvennerのロゴマーク

デンマークの『ナポレオン』という名前のお菓子。ナポレオンの帽子に似ているからとか

略歴
銭本 隆行 氏
学校法人日本医療大学特別講師、認知症研究所所員
1968年広島市生まれ、福岡市育ち。早稲田大学卒業後、時事通信社、産経新聞社に勤務の後、2006年にデンマークへ渡る。デンマークの国民高等学校「日欧文化交流学院」にて、福祉、教育、医療に関する研修を日本から受け入れてきた。2011年から2015年まで同校学院長を務め、現在は学校法人日本医療大学特別講師、同大学認知症研究所所員を務めている。

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