日本医療大学学園コラム|認知症と関わる際の7つのアドバイス7

日本医療大学|アンデルセン便り

09月01日

認知症と関わる際の7つのアドバイス7

 7つ目のアドバイスは、「認知症についての知識を求めよう」、です。
 認知症について知れば知るほど、 認知症を患う人をより良く支援できるようになるでしょう。認知症についての知識は、認知症を持つ患者の治療とケアの質にとって決定的な意味を持ち、特養、訪問介護、病院のすべての職員に意味があります。しかしまた、認知症を持つ人と関わる家族、友人らも、認知症についての知識を必要としています。
 たとえば、認知症は記憶だけにしか影響を与えないわけではないことを知るのは大切です。認知症は脳を攻撃する病気が原因です。認知症が進行していくにつれて、脳のより多くの部分が攻撃を受け、全く普通だった毎日の活動がどんどん難しくなっていくのです。
 もし話しかけたときに認知症を持つ人が反応しなかったとしても、礼儀正しくないわけでも、聞こえなかったわけでもありません。認知症ゆえに、あなたが言うことを理解し、処理するのが難しいのかもしれません。認知症を持つ人は、混乱し、何を言うべきかがわかりません。あなたが質問を繰り返し、声を挙げれば、認知症を持つ人はさらに混乱し、怖がり、または申し訳なく思ってしまう危険があります。そうした行為はまったく助けになりません。
 認知症を持つ人と一緒にいるとき、病気が脳にどのように影響するかについての知識は役に立ちます。たとえば、多くの質問をするのはやめて、そのかわりに答えを示しましょう。
 たとえば、認知症を持つ人が、ちょうどお昼に食べたものをすべて忘れてしまったと仮定しましょう。認知症ゆえに、脳が食べたことを記憶にどめておくことができない可能性があります。だから、きょうお昼に何を食べたか、という質問は、答えられないかもしれません。その代りに、自分から答えを示したり、口に出して言いましょう。「私たちがきょうお昼に食べたのは、とてもおいしいチキンでしたね」と。
 このように、認知症を持つ人とあなた自身に恩恵をもたらすためにも、認知症についてより知識を求め、賢くなりましょう。

認知症を持つ人が外に出るリスクを回避するため、ドアとわからないよう絵が描かれています
センサー

ドアにカギを締めることは罪を持たない何人に対しても人権侵害で違法です。そのため、認知症を持つ人の暮らす施設のドアには外出が分かるようにセンサーが付けられています

略歴
銭本 隆行 氏
学校法人日本医療大学特別講師、認知症研究所所員
1968年広島市生まれ、福岡市育ち。早稲田大学卒業後、時事通信社、産経新聞社に勤務の後、2006年にデンマークへ渡る。デンマークの国民高等学校「日欧文化交流学院」にて、福祉、教育、医療に関する研修を日本から受け入れてきた。2011年から2015年まで同校学院長を務め、現在は学校法人日本医療大学特別講師、同大学認知症研究所所員を務めている。

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