日本医療大学学園コラム|認知症と関わる際の7つのアドバイス4

日本医療大学|アンデルセン便り

05月01日

認知症と関わる際の7つのアドバイス4

 4つ目のアドバイスは、「認知症についてオープンに話す」、です。
 認知症は見えません。それゆえ友人、隣人、同僚は、認知症に掛かっていることを本人自身が話さなければ、簡単には理解しないでしょう。
 だから、あなた自身が病気にオープンでなければ、理解を求めることはできません。オープンであることは家族と友人が支援するのを容易にします。オープンであることは周囲からの助言と支援を受け取るのを容易にします。
 認知症をオープンに話すことが難しい人もいるかもしれません。周囲の反応や認知症という刻印を押されるのを恐れて、まったく病気について話さないで済ませることもありえます。しかし、認知症を隠すことは、話すことよりもしばしばエネルギーを必要とします。
 また、病気を隠すことは、認知症と家族のいずれもが社会活動から退くことを意味するかもしれません。しかしそうなると、孤立や孤独となるリスクは高まります。最悪の場合、病気を悪くすることになるかもしれません。もしあなた自身があえて認知症について話すならば、逆に、あえて尋ねてくれる可能性を提供することになります。こうして、あなたと近くの人に対する理解がより容易になるのです。
 また、認知症とはそもそもどんな病気なのかを周囲が理解するのを手伝うことは大切かもしれません。認知症について多くの神話や偏見がいまだに見受けられるのは悲しいことです。しかし、ごくわずかの人しか、認知症を持つ人を待ち受ける試練を知らないのを覚えておいてください。
 病気に関連して経験した悲しみ、遭遇した困難についてオープンに話すことも、状況を軽減してくれます。感覚的なプレッシャーのガス抜きともなり、その後少しずつ力を与えてくれるのです。
 認知症に関わる多くの家族がいます。40万人以上のデンマーク人が、自分自身が認知症か家族かのいずれかで、毎日認知症とともに生きています。同じ状況にある人に一個人として出会うことは、認知症との日々を生きていくのに大きな助けとなります。同じ心を持ったオープンな会話は特別な価値を持ちます。同じ状況の他人と出会う最初のステップは、他人にオープンになることなのです。

キオスク
デイセンターの売店。元気な高齢者がボランティアで定期的に運営してくれるのがデンマークでは一般的
福祉用具展

年1回開かれるスカンディナビアで一番大きな福祉用具展。1日ではじっくり見て回れないほどの規模である

略歴
銭本 隆行 氏
学校法人日本医療大学特別講師、認知症研究所所員
1968年広島市生まれ、福岡市育ち。早稲田大学卒業後、時事通信社、産経新聞社に勤務の後、2006年にデンマークへ渡る。デンマークの国民高等学校「日欧文化交流学院」にて、福祉、教育、医療に関する研修を日本から受け入れてきた。2011年から2015年まで同校学院長を務め、現在は学校法人日本医療大学特別講師、同大学認知症研究所所員を務めている。

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