日本医療大学学園コラム|認知症と関わる際の7つのアドバイス2

日本医療大学|アンデルセン便り

03月01日

認知症と関わる際の7つのアドバイス2

 前回からの続きです。2つ目のアドバイスは、「接触を保つ」です。良好な社会的関係や多くの他人との接触は、認知症の症状が進行していく下降スパイラルにブレーキをかけられる可能性があります。
 認知症とは、関わる者、誰に対しても“挑戦”となります。認知症を持つ人と一緒にいるとき、もっとも身近な親友でさえ、“場の流れ”をみつけるのが難しいかもしれません。だからこそ逆に、認知症を持つ人とその家族はしばしば、友人や知り合いとそれまでの関係を保っていくことが難しくなります。認知症は克服しがたい妨げとなり、本人と家族は孤立していく危険にさらされることになります。こうした事態を避けることは容易ではありません。
 しかしながら、良好な社会的関係や多くの他人との接触を持つことで、もしかしたら認知症の進行の下降スパイラルにブレーキをかけることは可能かもしれません。以前に良好な関係にあった認知症を持つ人と、それまでとまったく同じやり方で一緒にいることはできないとしても、接触を保つことを試みてください。そばにいてあげる、ことこそがもっとも大切であることを忘れないでください。
 また、もしかしたら毎回は成功しない、という意識を持って、接触してみてください。認知症との生活は日々を難しくさせます。予測不能なことで一日の予定がひっくり返ったり、約束が忘れられたり、諦められたりしがちです。そんなときでも、次は可能かもしれない、と思って積極的に接触してみてください。
 どのようにして接触するのかも考えてください。予測ができない大きな集まりは認知症を持つ人をしばしば不安にさせ、怖がらせるものです。そのため、何かを一緒にすることを、散歩、音楽・写真鑑賞などのより小さいものにしてみましょう。
 ほかの認知症を持つ人と一緒になにかをすることも大切です。認知症との生活がどのようなものかを自分自身の生活から理解している人との新しい友人関係は、経験や知識、感覚を共有する可能性を与えてくれます。

アネモネ1
デンマークでは春が近づいて来る白色のアネモネの絨毯が野原に敷き詰められる
アネモネ2

中には青色や黄色のアネモネも交じり、コントラストが春の訪れを待ち望む人たちの目を和ませる

略歴
銭本 隆行 氏
学校法人日本医療大学特別講師、認知症研究所所員
1968年広島市生まれ、福岡市育ち。早稲田大学卒業後、時事通信社、産経新聞社に勤務の後、2006年にデンマークへ渡る。デンマークの国民高等学校「日欧文化交流学院」にて、福祉、教育、医療に関する研修を日本から受け入れてきた。2011年から2015年まで同校学院長を務め、現在は学校法人日本医療大学特別講師、同大学認知症研究所所員を務めている。

CONTENTS

ページの先頭へ戻る