大学概要
学長挨拶

大学概要

HOME大学概要 > 学長挨拶

学長からのメッセージ

日本医療大学 学長 傳野 隆一

人は人によってのみ癒されます 一人一人と向き合う少人数教育が人間力を養います

日本医療大学 学長

傳野 隆一

医学博士、医師。1978年札幌医科大学卒業後、同大学第一外科に入局。
同科助教授を経て、2000年より同大学保健医療学部看護学科教授。
2012年より同大学医療人育成センター長。2014年より現職。
医師としては日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医等の資格を有し、
日本肝胆膵外科学会評議員、日本死の臨床研究会世話人等を務めた。

本学は2014年4月に開学し、3度目の春を迎えました。看護学科は3年次に入り、いよいよ本格的な専門教育が行われます。翌年開設したリハビリテーション学科に加え、本年から診療放射線学科が加わり、3学科がそろいました。

 

本学の源流をたどれば、1983年、社会福祉法人札幌栄寿会(後にノテ福祉会に名称変更)が、当時としては先駆的な都市型特別養護老人ホームを札幌市豊平区月寒に開設した時にさかのぼります。今のように高齢者福祉が社会の注目を集める以前の時代で、理想とする福祉を実現するためにはその担い手から育成しなければならないとして1989年、日本福祉学院(後に専門学校日本福祉学院に名称変更)を開校しました。その後、1995年、世界的な童話作家アンデルセンを生んだデンマークで、同国が世界で初めて提唱したノーマライゼーション思想を学び、これを実践すべく札幌市清田区にアンデルセン福祉村を開村。さらに、ここを拠点に本学の前身となる専門学校日本福祉リハビリテーション学院、専門学校日本福祉看護学院(後に診療放射線学科を統合し専門学校日本福祉看護・診療放射線学院に名称変更)を開校。高齢者、障がい者と医療福祉専門職を目指す若者が日常的に交流し、互いを理解し合う環境がつくられました。

こうした実践の上に本学が誕生したのは、高度化する医療・福祉に対応する人材を育成するには4年制の大学でなければならないと判断したからにほかなりません。全国的な医師不足の中で、医師が行う医療行為を看護師などの医療専門職に認める検討も進んでいます。こうした流れに沿って近年、保健医療学部の教育の中で基礎医学の重要度が高まっており、専門学校のレベルでは対応が難しくなってきているのは事実です。

 

本学では、外科医であり、札幌医科大学において外科学第1講座を務めた私と日本病理学会認定病理専門医・口腔病理専門医の資格を持つ賀来亨教授が専任教員として基礎医学を担当しているほか、今期総長に就任された前札幌医科大学理事長・学長の島本和明先生も教壇に立ち、学生の指導に当たられています。島本先生は日本高血圧学会の理事長も務められた循環器内科学の全国的権威。近年、保健医療系の大学が多く設立されていますが、このように医学の最先端で活躍してきた医系教員をそろえる大学はそう多くありません。昨年10月には大学が設置する認知症研究所としては日本初となる「日本医療大学認知症研究所」を設立しました。高齢化がピークに達する2025年には認知症を患う方が700万人を突破すると見込まれています。こうした状況に対して本学ならびにつしま医療福祉グループが培ってきた知見によって貢献したいという思いからです。さらに大学院開設の具体的検討も始まっています。

しかし、高度な医学知識に触れられることだけが4年制大学の意義ではありません。大学を大学たらしめているのは一般教育による教養豊かな人材の育成にあります。医療人として社会に出た時、大きな問題、高い壁にぶつかった時に新たな道を切り開いていく問題解決能力は、一般教育で身に付けた幅広い教養が基盤となります。そしてこのことは本学の教育理念である「人間尊重を基盤とした『人間力』を備えた医療人の育成」につながっていきます。人は人によってのみ癒されます。本学で学生一人一人と向き合う個性重視の少人数教育を大切にしているのは、医療や福祉の現場で多様な経験を積んできた教員に身近に接して医療人としてのあり方を学んでほしいと願うからです。

そして人間力の育成ということでは、本学が立地するアンデルセン福祉村の環境が持つ〝現場の教育力〟も加えなければなりません。ここでは、障がいを持った方が高齢者施設や学生食堂での調理や高齢者施設の介護、学校の清掃などに従事し、それぞれが自立した生活を営むというノーマライゼーションを実践しています。毎年9月に開かれ、6000人を超える市民が集まる「アンデルセングルメ祭り」では、高齢者や障がいを持った方、本学の学生も一緒になって秋の恵みを祝います。生きた教材として若い感性がこうした姿に触れることが医療人としての人間性を養っていくことにつながると信じます。

 

さて3年目を迎えた看護学科では、いよいよ長期の看護実習が後期から始まります。実習施設の確保に苦労する育成機関が多い中にあって、本学では専門学校時代からのつながりを持つ市内外有力病院が引き続き、実習環境を提供してくれています。その先にある国家試験では、専門学校時代の卒業生が100%近い合格実績を残しました。4年制大学になってから成績が落ちるようなことがあってはならないと指導に当たる教員は今から心を砕いています。大学後援会の支援を受けて1年生から国家試験模試に挑戦しました。もちろん1年生ではすべての試験科目に対応できませんから、履修した科目に限っての実施です。これを2年次、3年次と伸長し、国家試験に臨める態勢づくりを構築中です。すでに多くの医療機関、福祉機関から本学の卒業生を望む声が届いている中で、すべての本学学生に国家資格を与えることは大学の責務です。それだけに本学を志望する生徒諸君には、自分の人生を医療福祉の道にささげる強い決意を持って扉を叩いてもらいたいと望みます。